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”食べ物にもったいないをもういちど” コロナ禍での世界の食品ロスの状況 英国編

2019年12月31日、
中国武漢から発症した新型コロナウイルス(COVID-19)は、
全世界を巻き込み、今もなお、世界中の人々を苦しめています。
そんな中、”SDGs” > ”食品ロス削減”も、
コロナ前・コロナ禍で、状況が変わってきているようです。

今回は英国を例にとって、情報をお伝えしたいと存じます。

英国の非営利組織WRAP(ラップ)の調査によれば、
2020年までは、良い水準で食品ロスが減っていたにもかかわらず、
2021年7月移行、2018年11月同レベルに増加してしまった
ということです。

<調査対象>
 18歳以上 食料品の買い物や調理をおこなっている家庭
 主要4品目(パン・鶏肉・ジャガイモ・牛乳)

<調査実施年月日>
 2021年6月25日 ~ 7月5日

<調査人数>
 英国市民 4,172名(オンライン調査)

どう変わっているかという具体的な数字を
下記の表とグラフでご覧ください。

<増えた原因>
WRAPによると原因は2つあるとのことです。
ロックダウンまでは、
「冷凍食品」「残り物の利用」「作り置き調理」等の
食品管理行動を英国市民は行っていました。

しかしながら、2020年9月(ロックダウン解除)以降、

1.外食やテイクアウトの増加
  英国政府が
  「Eat Out to Help Out」(外食で支援しよう)という施策を
  打ち出した後、テイクアウト回数・レストラン・ファーストフード店・
  バーやパブでの外食回数が増えたため。

2.日常生活での時間的プレッシャーの増加
  0~10歳のこどもがいる家庭とフルタイム(働き盛り)世代に
  食品ロスの増加がみられる。

ロックダウン解除後、
食品ロス削減のスキルを持ち合わせながらも
通常の生活に戻ると、時間に追われ、
ロックダウン中の食品管理行動の反動もあり、
結果、2018年同レベルまで戻ってしまった
という見解のようです。

今後、WRAPでは、
再度、食品ロス削減の持続を
管理プログラムを基に問題を克服する手立てを、
様々な機関の協力のもと、支援していくそうです。


今回より、
英国のWRAPの記事や他国の現状を調べておりますが、
他国には素晴らしい機関が政府の元で調査・データ発表を
短いスパンで更新しているものだと感じました。

日本には、英国のWRAPのような機関、
設立以来、ずっと同じメンバーで活動して
マメに新データを更新している国の機関が見当たりません。

過去3回にわたってご紹介してきた日本の現状も、
農林水産省・環境省・消費者庁等、
すべて管轄が違うところから
情報を寄せ集めたものです。
しかも、各庁の職員は数年ごとに異動してしまっている
というのが現状のようです。

故に、日本の食品ロス削減状況の数値は、
他国のように毎年、更新されるものではなく、
数年に1度(何年スパンかは不明)の数値なので、
データ自体も世界各国のように
新しいデータが入手できないのが
とても残念に思いました。

地球規模での”SDGs” > ”食品ロス削減”に管轄ごとではない、
英国のように、政府がしっかりと一括で管理していく機関が
メンバーを変えずに持続的に行うこと
そして、新しいデータが少なくとも毎年、
更新されたら、他国に遅れをとらないのでは?

等々、改めて色々と考えさせられたわたくしです。

次回は、英国以外の世界の食品ロス削減の現状を
お伝えできればと存じます。



参考資料 
Food waste trends survey 2021, WRAP, UK
Food Trends & KPI Survey 2021, WRAP, UK


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